受けの秘部に己の醜悪な男性器が押し入る様を見るたび、本当にこれは愛しい相手にしていいことなのかと疑問に思う攻め。その後すぐ受けのとろけた顔に目をやって、まあいいかと思考を止めるまでが一連の流れだ。

受けは子供っぽいところがあるから、と周囲に語る時の攻めは、受けが自分にだけ見せる一面があることへの優越感がだだ漏れであり、本人もそれを自覚している。

受けに昼寝から起こされた際、受けと付き合っている夢を見ていたせいで、寝ぼけて目の前の受けにキスしてしまった攻め。

会話の途中で受けの肩を抱こうとしたら身をかわされてしまった攻め。「くっつかれると話が入ってこなくなるから」と赤面する受けはかわいいが、悲しいものは悲しい。

鏡の前で受けを抱いた攻め。受けを喘がせている男が他ならぬ自分であるのを第三者の視点から眺めるのは、思わず笑い声が漏れるほど愉悦を感じるひとときである。

「気を遣って感じる演技をしてくれていたら申し訳ない」という不安が常にあるせいで、受けが涎を垂らして潮を吹くまで安心できず、事後に毎回苦情を言われている攻め。

受けを抱くことで征服欲が満たされたのを感じるたび、健全な精神を保たねばと自戒する攻め。この喜びを是とすれば、受けを前にした自分はどんどん獣に近づいて、いつか取り返しがつかなくなる気がするのだ。

受けから上着を預かった攻め。渡された瞬間にふわっと良い匂いが漂ってきて、受けによこしまな気持ちを抱く自分が嗅いではいけない気がしてとっさに息を止めた。

受けと二人きりの時間を少ししか取れなかったので、せめて満足いくまでキスしようとがっついた攻めだが、貪れば貪るほどキス以上のことをしたい欲望が膨らんで、かえって欲求不満が悪化してしまった。

攻めの部屋から帰る支度をしている受けを「何か忘れ物をしてくれたらまたすぐ会えるのに」と願いながら眺めている攻め。しかし、その目つきは健気と評するにはじっとりしすぎている。

なぜ恋人になったのに手を出してこないのかと受けに問われた攻め。体目当てと思われたくないのだと正直に打ち明けたら、目が合うだけで照れているようなありさまで何を心配しているんだと笑われた。

ふとした拍子に受けの襟元から覗いた鎖骨が目に焼きついて、あれに指先を這わせたら、歯を立てたら、と感触を想像するのをやめられない攻め。

ふとしたことで「受けも自慰をするのだろうか」と考え始めてから妄想が止まらなくなり、受けの顔を直視できない日々が続いている攻め。

受けから自慰を見たいと言われた攻め。初めはしぶしぶ扱いていたが、受けが照れ始めてからは興が乗ってきて、最後は赤面する受けの頬に手を添えてまで目を逸らさせまいとしていた。

射精直前で受けに「中で出した方が後始末が楽だよ」とささやかれ、そんな馬鹿なと思いながらも誘惑に負けそうになっている攻め。

受けは顔にかけるとぶつくさ文句を言うわりに、許可を求めれば迷いなく頷くし、こちらが出し切ったとわかるまでじっとしているし、まあ本気で嫌がっている訳ではないんだろうと思うことにしている攻め。

受けに交際を申し込んだ動機が「他の誰かのものになるのを見たくない」だった攻め。こんな感情が純粋な愛だとは到底思えなくて、今まで一度も受けの目を見て「愛してる」と言えたことがない。

受けが疲れている日は手を出さないと誓っている攻め。しかし受けの方は疲れている時ほど甘えてくるので、誓いを破らないギリギリの線を自分の中で探しながら、キスをしたり撫でたりしている。

受けと恋人にさえなれれば、嫉妬や焦りで気持ちが荒むこともなくなるはずだと思っていた攻め。しかし実際に付き合い始めてみると、今度は醜い独占欲が胸の奥で暴れ始めて、安寧なんてまだまだ先の話だと思い知った。

受けの心身を気遣える恋人でありたい攻め。そのくせ、最中に受けが「もうイきたくない」と口走った際、一層激しく腰を振ってしまったことについては、反省はしても「繰り返さない」とは誓えない。

日増しにどろどろしていく恋心を悟られまいと、受けと最低限の言葉しか交わせなくなった攻め。そのせいで受けを遠くに感じ、嫉妬と焦燥の沼にいっそう沈んでいくのだから、悪循環もいいところだ。

受けとは事を始める前に「中で出すなんて論外」と合意したはずなのに、いざ最中になると受けが蕩けた顔で「中でもいいよ」とそそのかしてくるので、流されないように歯を食いしばって理性を保たねばならない攻め。

受けの部屋から悩ましい声が漏れるのを聞き、いったいどこの馬の骨と、と頭が真っ白になった攻め。しかし、しばらくその場に立ち尽くすうち、扉の向こうに受け以外の気配を感じないことに気がついた。

初夜、何度「気持ち良かった」と伝えても受けが不安そうにしているので、どれだけ出したかの証拠品を見せれば納得するだろうか、と諸々を放り込んだゴミ箱をじっと見つめている攻め。

スケベな展開に持ち込みたくて受けの腰に指を這わせてみたら、「くすぐったい」と大笑いされてしまった攻め。可愛いし、ここで終わってもいい気はするが、でもやっぱりスケベなことはしたい。

受けと親しくなる機会を得るためなら何でもするくせに、いざ二人きりになったら明後日の方向を見ながらつまらない世間話を振るのが精一杯の攻め。

姿見に映る自分達を見ながら受けと行為にふける攻め。自身の顔は視界に入れず、よがる受けばかりを見ていたら、ふと別の男が受けを抱くのを見せつけられている錯覚に陥り、頭が真っ白になった。

初めての挿入時に「痛かったら絶対すぐやめる」と宣言した攻め。そのせいで今でも受けに「痛いから抜いて」と言われたら、本当はただ恥ずかしいから中断したいだけだとわかっていても、いったん従わざるを得ない。

受けの襟首から見えるか見えないかの位置に痕をつけてしまった攻め。万が一の場合に隠せるよう、四六時中受けの後ろにぴったりくっつくことにしたが、当然受けには不審がられている。

受けのことを考えていたら眠れなくなり、夜の散歩に出かけた攻め。いっそ次に会った時にでも告白してしまおうか、と考えながら歩いていたら、曲がり角でばったり受けと出くわしてしまった。