バレンタイン当日、どうにか攻めを捕まえてチョコを渡すことに成功した受け。真っ赤になってチョコを受け取った攻めの「好きです、…チョコが」という言葉がその後もずっと耳に残って、攻めが言ってくれたのが前半部分だけだったなら、と夢を見ずにはいられない。

バレンタイン当日、攻めから明らかに義理ではないラッピングのチョコを受け取った受け。とんでもなく嬉しいことが起きているような気がするけれど理解が追いつかなくて、「このチョコに深い意味はないから気にしないで」などと妙に早口で述べ終えた攻めが風のように去っていくのを、ただ呆然と見送った。

自分から受けにバレンタインチョコを贈ってみることにした攻め。どうにか受けにチョコを手渡すまではやり遂げたものの、そこで力尽きてしまって、その後は「日頃お世話になっているから」と想いを伝える言葉とは程遠い言い訳を口にすることしかできなかった。

バレンタイン当日、極度の緊張で受けの方を見ることができない攻めと、明らかに自分を避ける攻めの態度を「自分の好意は実は攻めに気づかれていて、その上で拒まれているのではないか」と誤解して泣きそうになっている受け。