机に突っ伏して仮眠している受けの寝息に気を取られ、仕事が全く進まない攻め。

受けにいい感じの相手がいるという噂を耳にしたせいで職場の飲み会で悪酔いし、受けに「幸せになってほしい」「でも本当は行ってほしくない」と一方的に語りかけ始めた攻めと、何の話かよく分かっていない受け。

受けに振られた時のために異動願いの出し方を調べている攻めと、その様子をたまたま見かけて攻めが異動するつもりだと早合点しショックを受けている受け。

バレンタインに渡したチョコは口に合ったかと受けに聞かれ、いえまだ食べていません、もったいなくて、とうっかり本音を漏らしてしまった攻め。

街中でホワイトデーの広告を見るたび、もしかしたら今頃攻めもお返しについて思案してくれているのだろうか、いやそもそもやはりチョコなんて迷惑だったのでは、などあれこれ考えてはうめき声を上げそうになっている受け。

受けが好きそうかどうかという基準のみでホワイトデーの贈り物を選んだ攻めだが、渡す前日になってお返しにも本命向けやら義理向けやら色々と意味があることを知り愕然としている。

外出から戻った攻めが首ににじんだ汗を拭っているのを見て思わずドキッとした受け。

受けが伝えてくれた連絡事項は一字一句間違えず暗唱できる攻め。

休日に会った際、攻めの私服がおしゃれ過ぎなくてなんだかほっとした受け。

自販機で飲料を選ぶ際、気づけば受けがいつも買っている飲み物を見つめている攻め。

仕事と自分、どちらが大事なのかと恋人に問われたという同僚の話を聞いて、片思いのくせに「もし受けにそう尋ねられたら何と答えようか」とシミュレーションを始めた攻め。

早めに出勤した朝、受けが仕事場の窓辺にたたずんでいるのを見つけた攻め。淡い陽の光を受けながらこちらを振り向いた受けの姿に見惚れてしまい、おはようございます、と挨拶をされてもすぐには返事ができなかった。

始業時に相手の予定表をこっそり確認するのが日課の攻めと受け。

受けと同じ職場でなければもっと大胆に距離を詰められるのに、と思う攻め。まあ実際に勤め先が違っていたら、受けと同じ職場であればもっと一緒にいられるのに、などと考えていそうな気はするが。

休みの日に職場のバーベキューに誘われた攻めと受け。当日、和気あいあいとする同僚達とは少し離れた場所で、二人でひっそりと肉や野菜を焼くのが何よりも楽しかった。

ドン底の気分で休日出勤した攻めだが、自分も急遽出ることになったのだと笑う受けに出迎えられて、もしや疲労のあまり幻覚を見ているのではないかと目をこすっている。

バレンタイン当日、どうにか攻めを捕まえてチョコを渡すことに成功した受け。真っ赤になってチョコを受け取った攻めの「好きです、…チョコが」という言葉がその後もずっと耳に残って、攻めが言ってくれたのが前半部分だけだったなら、と夢を見ずにはいられない。

バレンタイン当日、攻めから明らかに義理ではないラッピングのチョコを受け取った受け。とんでもなく嬉しいことが起きているような気がするけれど理解が追いつかなくて、「このチョコに深い意味はないから気にしないで」などと妙に早口で述べ終えた攻めが風のように去っていくのを、ただ呆然と見送った。

自分から受けにバレンタインチョコを贈ってみることにした攻め。どうにか受けにチョコを手渡すまではやり遂げたものの、そこで力尽きてしまって、その後は「日頃お世話になっているから」と想いを伝える言葉とは程遠い言い訳を口にすることしかできなかった。

バレンタイン当日、極度の緊張で受けの方を見ることができない攻めと、明らかに自分を避ける攻めの態度を「自分の好意は実は攻めに気づかれていて、その上で拒まれているのではないか」と誤解して泣きそうになっている受け。

「明日はバレンタインですね」と世間話をする攻めと受け。百貨店のチョコ売り場がすごく混んでて疲れました、そうですよね、なんてお互い口を滑らせてしまって、その後は「買いに行ったの？」と動転しきって何を話したのか一つも覚えていない。

自分から受けにバレンタインチョコを贈ってみようと思いついた攻め。しかし品物の購入にはどうにか成功したものの、実際に渡せる気なんて到底しなくて、自室の片隅に鎮座する小洒落た紙袋を見るたびに、今すぐ全部食べてしまって無かったことにしたくて仕方がない。

自分が受けにバレンタインチョコを贈るのもアリでは？と思いついた攻め。百貨店の特集コーナーに赴いてみたものの、飛び込んでいく勇気がどうしても出なくて、「へーこんなのやってるんだ」という顔をしながらコーナー前の通路をひたすら往復している。

受けがチョコをくれる夢を見てぬか喜びしたり、逆に他の相手に渡している夢を見てうなされたりと、二月に入ってから安眠できなくなってしまった攻め。勝算があるとは言いがたい片思いにとって、あまりに残酷な時期ではないかと世の中を呪っている。

私情を挟んではいけないと思うあまりに受けのミスにそっけなく対応してしまい、後悔で退勤後に酒を浴びるほど飲む攻め。

課員数名での出張時、早めに集合場所に着けば受けと二人きりになれるかもしれないと急いだらそこにはとびきり面倒くさい先輩しかおらず、げんなりしながらくどい話に相槌を打つ攻め。

出張で一緒になった帰りの駅で、受けが渋めのお土産をじっと見つめているので誰にあげるんだと気が気でない攻めと、攻めとお土産の話ができれば好みを聞けるのではと考えているだけの受け。

後ろ姿を見かけただけで心が弾んだり、互いの手が触れただけで飛び上がったりする攻めと受け。この歳でこんな甘酸っぱい恋をするとは思っておらず、巷で耳にする大人の駆け引きが全く参考にならなくてうめいている。

今夜、受けが合コンに行くらしいと耳にした攻め。実際は受けに合コン参加を断られたという話を聞き間違えたのだが、そんなことは露知らずよろけた足取りで受けに近付いて、行かないでほしいと両肩をつかんだ。

初詣の帰り道、ここで好きだと言わなきゃいつ言うんだと腹を括り、あの、と話を切り出した受け。しかし攻めと目が合った瞬間に決意はあえなく吹き飛んで、今年もよろしくお願いしますとぼそぼそ告げることしか出来なかった。

初詣で二人でおみくじを引いた攻めと受け。受けが大吉が出たと言うので見せてもらった攻めだが、目に飛び込んできた恋愛運の「うまくいく」への「誰と…？！」という疑問に気を取られ何も感想が出てこない。

二日酔いで目を覚ました元旦の朝、受けからどこで待ち合わせますかとメッセージが来ているのに気づいた攻め。やりとりを遡ると酔った勢いで初詣に誘っていたようで、恐ろしいやら嬉しいやらでパニックになりつつも慌てて家を飛び出した。

大晦日、あちこちで今年の振り返りと来年の抱負に関する話題を耳にする攻め。自分はどうだろうと考えてみると頭に浮かぶのは受けに関することばかりで、来年こそは、いや無謀か…などと一人で呻きながら酒ばかりが進んだ。

仕事納めの日に立ち話をする攻めと受け。帰省はされるんですか、なんて世間話をしながら、しばらくは見ることができないだろう相手の顔を目に焼き付けている。

机の下の配線をいじっていたら頭を机にガンとぶつけてしまった受けと、大丈夫かと駆けつけたら痛みに潤んだ受けの瞳を目にして心臓が跳ね上がった攻め。

職場であの人のフルネームだけなぜか覚えているなと気づいた瞬間、受けへの恋心を自覚した攻め。

料理ができるアピールをしたくて自作の弁当を持ってきた攻めと、攻めが鞄から弁当包みを取り出したのを見てきっと恋人ができたんだとショックでフラフラになる受け。

上司から「君の補佐役を自由に選んでいいよ」と言われ、私情を挟むなんてもってのほかだと思いつつも受けの名前しか頭に思い浮かべられない攻め。

攻めが採用ホームページの社員紹介コーナーに起用されたと知り、そんな風に取り上げられたら競争率が上がってしまうと嘆きつつも暇さえあればブラウザを開いて攻めのページを眺めている受け。

大雨で家に帰れなくなった受けと、受けを一人にさせたくないが自分の家に来たらどうかなどとは絶対に言えない攻め。

恋人と同棲を始めたという同僚の話を聞き、もし自分が受けと一緒に暮らせたならという妄想が広がってしばらく完全に手が止まってしまっていた攻め。

火災報知器が鳴った瞬間、即座に受けの手首を掴んで外に連れ出した攻めと、攻めが自分を最優先で守ったのだということに気づいて誤作動だと分かった後の方が動揺した受け。

一緒に観に行きましょうと言い出せず、今一番流行っている映画の話を延々繰り返す攻めと受け。

同僚の結婚式に一緒に参列するも互いの正装が眩しすぎて逆に距離を取ってしまう攻めと受けだが、2次会で受けが相手方の参加者に言い寄られているのを見つけて即座に割って入る攻め。

一緒に出張に出かけて普段と違う景色にはしゃぐ受けがかわいくてずっと見てしまう攻め。

受けが目の下に隈を作ってきたので心配していたら、かわいい理由だったので癒される攻め。

仕事中の互いの手に色気を感じてしまって顔が熱い攻めと受け。

受けが給湯室に行く時間がわかっているので怪しまれない頻度で自分も行く攻めと、今日は来てくれるかなとそわそわする受け。

同僚との飲み会で頻繁に互いの話を出してしまい周囲にニヤニヤされる攻めと受け。

休日に何をしたかの話になった時、よく話題にのぼる互いの友人の詳細が気になってしょうがない攻めと受け。

上司との面談で同僚の評価を聞かれたのでそれぞれが互いを絶賛し、あーこいつら好きあってんだなとバレた攻めと受け。

相手がハラスメントに遭わないよう水面下で互いの周りの人間に注意を払う攻めと受け。

協力して目標を達成できたので、ぎこちなくハイタッチする攻めと受け。

資材を派手にぶちまけた受けと、そこそこ遠くにいたのに助けに飛んできた攻め。

攻めが特定の同僚とよく話しているので胸が苦しい受けと、受けのやきもちに全く気づいていない攻め。

受けの喜ぶ顔が見たくてあらゆる種類の差し入れを買ってきた攻めと、そんなに食べられないよと笑う受け。

忙しくて少しやつれた受けを心配する攻めと、じゃあ仕事が落ち着いたら美味しいものを食べに連れて行って欲しいと自然な流れを意識して誘ってみる受け。

ハイスペックな同僚が入ってきて、受けが心奪われてしまうのではと気が気でない攻めと、攻め以外は全員カボチャに見えている受け。

職場の冷房が故障し、暑いですねと服の胸元を緩めて仰ぐ受けによからぬ気を起こしかけて目を逸らす攻め。

仕事で苦しくても情けない奴だと思われたくなくて強がる受けと、自分を頼ってもらえないことに落ち込む攻め。

ただの同僚で居続けるべきだとわかっているのに、いざ相手を目の前にするとそんなのは嫌だと苦しくなる攻めと受け。

攻めへの恋煩いでため息をつく受けに、仕事で悩んでいるなら相談に乗ると真剣に話しかける鈍い攻め。

普段はテキパキ仕事をこなす受けが、攻めとは照れくさそうにはにかんで話すのでギャップにときめく攻め。

お土産を同僚に配る際、攻めに渡す時だけ少し緊張する受け。

二人で泊まりがけの出張に行き仕事後に私服でご当地グルメを食べに出かけて、まるで二人で旅行に来ているようで夢心地の攻めと受け。

休日の写真を見せ合ったとき、互いの私服姿を凝視して目に焼き付ける攻めと受け。

小さなことでも攻めに聞きに行きたいが、流石に迷惑だと自重する受けと、受けに話しかけられたらどんなことでも嬉しい攻め。

お節介な同僚に幾度かお見合いを勧められるも全てかわしていたら、じゃあ攻めさんとかどう？と出し抜けに提案されて心臓が止まる受け。

宴会で外の空気を吸いに出たら人気のない店の裏手で二人きりになり、受けが無防備にこちらを見つめるので、酔った勢いは良くないと思いつつ腰に手を回して抱き寄せる攻め。

ライバルの視察に全力で立候補して二人で選ばれた結果、休日に無駄に早い時間に集合する攻めと受け。

受けに馴れ馴れしい後輩をひっぺがす攻め。

相手の学生時代の話を知りたい攻めと受け。

結婚の予定はさっぱりないし思い切って職場の近くに単身用マンションでも買っちゃおうかなと話して攻めの様子を伺う受けと、早くアタックせねばと慌てる攻め。

まだ付き合ってないのに職場で交際を伝える妄想をする攻めと受け。

受けの作った資料の誤字にキュンとする攻め。

休日をどう過ごしているか聞き出したい攻めと受け。

資材を一緒に運んで、わざと迷う攻めと受け。

ヤバめの電話対応で苦しくなる受けに、こちらに受話器を渡すよう促す攻め。

繁忙期に終電を逃したのでカフェで二人でコーヒーを啜りつつ、隙を見せてみる受けと勢いで受けに触れてみた攻め。

気乗りしない歓送迎会だったが互いが帰らないので4次会まで行く攻めと受け。

宴会の下見という体で二人きりでの食事に漕ぎ着けた攻めと受け。

自販機の前で一緒になって、どうにか雑談を引き伸ばし合う攻めと受け。

たまたま駅のホームで会ったら故障で電車が止まっていて、他愛無い話をしつつ電車が来ないことを祈る攻めと受け。

明らかに良い雰囲気なのを周囲に悟られていて、事あるごとにアシストされる攻めと受け。

相手の昼食がカップ麺やらシリアルバーなのを利用してどうにか外食に誘いたい攻めと受け。

休暇予定をさりげなく相手に合わせる攻めと受け。

お前ら付き合っちまえよと同僚に囃されて、あーとかうーとか唸りつつ相手に拒絶されないことに安堵する攻めと受け。

同じモニターを覗き込むうちに距離が近くなって仕事どころではなくなる攻めと受け。

出勤時間帯のぎゅうぎゅうのエレベーターで密着して動悸がえらいことになる攻めと受け。

二人きりで深夜残業をしていたらフロアの電気が落ちて、暗闇でドギマギする攻めと受け。

暇な会議中にちょくちょく目が合う攻めと受け。

業務で切羽詰まっている受けをどうにかして手伝いたい攻めと、攻めの気持ちに気づいて密かに嬉しくてたまらない受け。

攻めが転勤になるという噂を聞き本人の前で泣いてしまった受けと、めちゃくちゃ慌てるが脈アリの可能性を見出して踊り出したい攻め。

アンチ職場恋愛だった筈なのに、どうしようもなく相手を好きになって主義を変えざるを得ない攻めと受け。

攻めに振り向いてもらいたいと一念発起し今までより気合の入った服で出勤する受けと、好きな相手でもできたのかと焦る攻め。

繁忙期の深夜のテンションで数人と恋愛の話になり、経験がゼロだとボソボソ暴露する受けに内心ガッツポーズをする攻め。

一仕事終えた打ち上げでハイな状態で人気のない店の暗がりでぶつかり、近い距離で話しているうちにいつの間にかキスしていた攻めと受け。

受けの仕事ぶりを褒めたら満開の笑顔が返ってきて息が止まる攻め。

宴会の帰りに二人で話し込んでいたら迷ってしまい、でもこのまま帰らずにいられたらと思う攻めと受け。

攻めが多忙でほとんど話せない日が続きとぼとぼと帰る受けと、どうにかして受けと話したくて仕事を切り上げ受けを走って追いかける攻め。

攻めとよく一緒に出張に行っている同僚を内心羨んでいたらバレバレだったようで、同僚が気を遣って受けがペア役になるよう調整してくれて恐縮する受け。

攻めが後輩の面倒にかかりっきりになり胸が苦しい受けと、最近受けと話せていないことに焦る攻め。

休みでも会うチャンスを得るため、職場の釣りやら何やらへの参加率がやたらと高い攻めと受け。

休憩室で二人きりになって、仕事に戻りたくない攻めと受け。

飲み会で受けに絡む面倒な先輩を全力でブロックする攻め。

別の課なのに互いの業務量を把握し、偶然を装って帰宅時間を合わせる攻めと受け。

職場恒例の清掃で同じ当番になるように、いい大人とは思えない必死の裏工作をする攻めと受け。

飲み会で酔った受けがいつもより悪戯っぽく笑うので、酒のせいにはしきれないほど顔が熱くなる攻め。

受けをお高めの店に誘い、同僚をこんな場所での二人きりの食事に連れて行くなんて好意を伝えているも同然だと浮つく攻めと、一人じゃ入りづらいから声をかけてもらえたんだろうとしか思っていない受け。

エレベーターでたまたま攻めと一緒になって、緊張で息ができなくなって苦しいけれど目的階には着いてほしくない受け。